JR瀬戸大橋線の橋上で架線が切れ、快速マリンライナーが約6時間も立ち往生した11月10日のトラブル。150人もの乗客の救助は、なぜこれほど遅れたのか。JR四国とJR西日本の会見などから対応を振り返り、教訓を見いだしたい。

  • 瀬戸大橋上でマリンライナーが立ち往生 乗客は別列車で児島駅に到着

 今回の事故発生場所は児島駅(岡山県倉敷市)の約4キロ南だった。瀬戸大橋線は、岡山方面から児島駅まではJR西、それより南はJR四国に運行管理権がある。JR四国によると、乗客の救助策は当初、発生地点を管理する同社だけで検討していた。

写真・図版
瀬戸大橋上で停車した快速マリンライナー10号=岡山・香川県境の下津井瀬戸大橋、JR四国提供

 まず、四国側から救援列車を向かわせ、立ち往生した列車と連結して移動させる案が考えられた。だが、架線が切れるという想定外の事態が判明し、実現しなかった。

 次は、乗客を橋上に降ろし、バスに乗り換えて避難してもらう案。これもバスの確保が難しいなどのため、断念に追い込まれた。

 最後に、この列車が立ち往生した上り線とは反対の下り線を使って、児島から救援列車を出すことが決まった。

見つからなかった救助用の「渡り板」

 ただ、乗客が救援列車に乗り…

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